昭洋工業初代、村野歳平はこう考えていました。
「技術力」とは依頼されたものを依頼された通り作ることではない。 アイデア・メンテナンス性・コストの観点から考えられた完成物が「技術力」である。
ある日、ある機械メーカーの社長から、「魚肉ソーセージ」の包装方法と機械化について依頼を受けました。人の手を介在せずパッケージングでき、次の工程に引き渡すことができないものか、と。 包装の材料、緊結の材料など、機械メーカーの社長が考えたアイデアを具体的な形とするために、打ち合わせが繰り返されました。 村野は機械メーカー社長のアイディアを形にするため、連日連夜考えました。その結果実現されたものが、当時としては最先端の「MO式 パッキングマシン」でした。
昭洋工業という企業の心は、当時から受け継がれた「お客様のアイデアを具現化するための、挑戦する心」です。その精神は、この先も変わることはありません。 依頼されたものが、たとえば設計書の通り完成することは、製造業の重要な要素のひとつであります。しかし、挑戦する心で長年にわたりものづくりを続けることにより、蓄積されるノウハウがあります。 このノウハウにより、単に図面に従うのではなく、いただいた仕事に真摯に向き合い、よりよいものを創出すること。それが、昭洋工業の「技術力」にほかならないと考えております。
下の写真は、当時村野が自分で作成した、「道具」の一部です。村野は、必要な道具も自らの手で作りあげていました。この道具が「技術力」の原点です。この精神を常に意識するために、これらの道具は当社の応接室に何時でも見ることができるように置かれています。
代表取締役 社長 村野 敏郎
弊社は、昭和30年代から商品を「美しく包み、保存する」という包装の基本理念のもとに、業界最大手である大森機械㈱の主力協力工場として合理化・高速化・無人化などの包装機械の高性能化に向け一助を担ってまいりました。
食品に限らず、時代の消費者ニーズにより生まれる新しい商品には、必ず新しい包装機械の需要が組み込まれています。そのため、包装機械業界は近年まさに不況知らずともいえる安定成長を遂げてまいりました。包装機械のユーザーの裾野は広く、ますます需要拡大の一途にあります。
弊社では、マシニングセンタなど最新工作機械設備による生産体制の強化をはじめ、IBM「AS 400」導入による生産管理システムの完全コンピュータ化など、生産工場では他に類のない最新の機械設備をもって、働く人を最大限にバックアップし、作業の円滑化をはかっております。
しかしながら、包装機械はそのほとんどが個別ユーザー向けに作られる産業機械です。各ユーザーの様々な要求に応えた手作りに近い製造が求められています。そこには、オートメーション化され何千何万と同じものを作る生産工場と全く違う、自分を生かすことができる土壌が広がっています。ひとりひとりの価値観が交差しあって、ひとつのものを作り上げる。たとえば個人のちょっとした発想や得意な分野が活かされたり、高度な技術または各担当者間の協力や信頼感、人だからこそできる仕事であふれています。
人の力・人の和が非常に重要となる弊社では、「企業は人なり」をモットーとした人材至上主義を奨励するとともに、ここに集う人々にとって、活き活きと伸びやかに個性や創造性を遺憾なく発揮できる土壌となるよう励んでおります。人の持つ大いなる可能性や力こそが何にも勝る企業の技量と信じ,さらに活気に満ちあふれた、質の高い企業作りを目指して今後とも努力してゆく所存でおります。